株が与える経済への影響

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株は経済ととても密接な関係であり、株価の変動によって企業の価値も変わり、様々な影響や動きが起きる可能性があります。株と経済についていろいろと考えていきましょう。

株価の上昇で起こる影響とは

個別企業の株価というのは、投資家の買い手と売り手の需給バランスによって決まってくる面があります。個別企業の株価が底値圏になってくると売り手が少なくなると同時に、買い手が徐々に多くなってきます。企業の株価が底値から上昇をし始める段階では、今まで信用で売りを仕掛けていた投資家が手仕舞いを行うことが多くなります。また、買いを専門とする投資家が徐々に買いを入れるようになり、さらに価格が上昇することが起こってきます。
しかし、企業の株価は一旦は反発をしても、再び下落をすることが少なくないです。上げ相場の初動では、多くの投資家が反騰相場に懐疑的だからです。そのため、企業の株価は2番底を付けることが多くなっています。2番底においては前回の安値を下回らなかった場合には、再び反発をみせることが多いです。
その後の上昇局面では、買い手が安心して投資できる状況となってきます。企業の株価が本格的に上昇する局面においては機関投資家などの大口の投資家が買ってくることとなり、さらに反騰相場が続くことになります。また、反騰相場が本格化すると、短期筋といった投機家も買いを入れて利ざやを狙う動きが出てきます。短期の投資家が注目するほどに株価が上昇してきた時には、価格の反落リスクが出てくることになります。価格が高くなり過ぎると、徐々に信用の売りが増えていったり、買い手も利益を確定させる動きが出てきます。高値を付けた後の反落後には、再び株価が戻りを試すことが多くなっています。しかし、2番天井を付けた後は、急激な下げ相場が待っていることが少なくないです。したがって、2番天井を付けた後には買い玉を確実に手仕舞っておくことが求められます。

株価の下落は予想できるのか

これまで、多くの投資家や学者たちが株価の動きを予想しようと知恵を絞ってきました。しかし、現在のところ株価の下落を予想する方法は確立されていません。株価は究極のランダムウォークであり、今後の動きを知ることは不可能なのです。
ランダムウォークとはお酒に酔った人が歩くときの千鳥足のようなもので、行き先が分かっておらずランダムな動き方をすることを指します。株価の動きもランダムウォークに例えられ、上昇や下落がいつ起こるのかを予想することはできないとされています。
経済に関係する学問のひとつに、金融工学があります。これは高度な数学を用いて過去のデータから今後の動きを予想することを試みる学問です。かつて、金融工学の実績によりノーベル経済学賞を受賞した学者やウォール街の大手投資銀行でパートナーとなったトレーダー、さらにはアメリカの中央銀行であるFRBの元副議長などが結成したヘッジファンドがありました。このヘッジファンドは金融工学を用いて債券投資を行い莫大な利益を上げていましたが、徐々に業績が悪化し、債券の他に株式や為替への投資も行ったものの、突如発生したアジアの通貨危機とロシアの財政危機によって総額250億ドルとも言われる負債を残して倒産しました。プロのトレーダーやノーベル賞を受賞するほどの金融工学者でも、相場の下落を予想することはできなかったのです。
記憶に新しいところでは、サブプライムローン問題を発端とする金融危機やギリシャの財政危機によるユーロ危機が起きています。世界中の株式市場で株価が下落しましたが、この下落タイミングを正確に予想した人は誰一人としていませんでした。
これらのことから、株価の下落を予想することは不可能だと言えます。

株の経済の影響力はどの程度あるのか

現代では株市場の状況が経済に大きな影響力を持つ傾向が強くなっています。消費者においては、株が上昇をすると高額商品などが売れることになってきます。その結果として、消費が伸びて企業の業績がアップすることが期待できます。企業の業績がアップすると、企業に勤めている人の賃金が上昇することに繋がってきます。多くの人の賃金が上昇することによって、さらに消費が伸びるという好循環が生まれてくることになります。
逆に株が下落をすると、個人投資家の財布のひもが締まることになってきます。その結果として、全体の消費が低迷して企業の業績も低迷することに繋がります。企業の業績が低迷すると社員の賃金は伸びないことになり、さらに消費が伸びない悪循環が生まれてくることになります。また、上場企業においては、自社の株価が上昇すると経営資金に余裕が出てきて、新製品などの研究開発費を増やすことが可能となります。企業の研究開発が活発化することで、将来の企業業績を伸ばすことが期待できます。
さらに株が上昇すると、企業では設備投資に前向きになることが考えられます。企業が設備投資を増やすことで、新たな雇用が生まれることに繋がってきます。しかし、株が下落してしまうと、企業では研究開発や設備投資をする余裕がなくなってきまます。
その結果として、雇用状況が悪化することが起こり得ます。以上から一般庶民の消費動向や企業の態度が株の上下の動きによって大きく左右されることから、世界では自国の株価を高く維持する政策が取られることが多いです。近年では政策金利を引き下げたり、金融緩和を実施することが行われています。金利の引き下げや金融緩和によって価格を維持し、経済の好循環を作り出す試みが続けられています。